最近、「習近平が失脚するかもしれない」なんて話がネットやSNSで飛び交っていますよね。
体調のこと、軍幹部の失脚、BRICS欠席…。次々と話題が出てきて、何が本当なのか気になっている人も多いはずです。
今回は、「なぜこういった噂が出るのか?」という背景を含めて、習近平にまつわる失脚説についてわかりやすく解説していきます。
中国はなぜ「噂社会」なのか?
まず知っておきたいのが、中国という国は“噂(うわさ)が広がりやすい”文化だということです。
中国では政治情報が非常に管理されていて、政府やメディアが自由に発信できるわけではありません。
そのため、ちょっとした「異変」や「沈黙」があるだけでも、「何かあったのでは?」と人々の間で噂が広まります。
これは「小道消息(シャオダオシャオシー)」と呼ばれる文化とも関連しています。
そういった背景から「習近平失脚説」といった噂もでてきたのかもしれませんね。
習近平失脚説の火種となった5つの要因とは?
習近平の失脚説がここまで広がった理由には、いくつかの「きっかけ」があります。
ここでは、その中でも特に大きな要因を5つに絞って紹介します。
① 幹部の相次ぐ更迭と軍部の粛清
ここ数年、中国の軍や宇宙関連、さらには経済系の幹部たちが、突然姿を見せなくなったり、更迭されたりしています。
たとえば、軍の装備部門やロケット軍の幹部たちが次々に失脚。
しかも、こうした人物の多くが「習近平が自ら登用した人」だったんです。
🔗 出典:中央日報日本語版(2025/7/1)
だからこそ「習近平の人事はうまくいっていないのでは?」「権力が弱まってきたのでは?」といった見方が出てくるのです。
② 習近平体制に潜む派閥対立の構図
中国の政界では、「出身地」や「経歴」を軸に派閥ができやすいとされています。
たとえば、
- 福建閥(習近平が地方時代から育てた側近たち)
- 浙江閥(経済系や技術官僚)
- 山東閥(習の妻・彭麗媛を中心としたグループ)
こうした勢力が水面下でバチバチやり合っている…という噂も流れています。
まるでかつての「四人組」を連想させるような構図に、失脚説も説得力を持ちはじめたのです。
③ 健康不安説と家族の「異例の登場」
2025年6月、習近平が約2週間、公の場から姿を消したことがありました。
この空白期間をきっかけに、「体調が悪いのでは?」「重病なのでは?」と憶測が広がりました。
その後、突然報じられたのが、ベラルーシのルカシェンコ大統領との“家庭的な会合”。
驚くことに、そこには妻・彭麗媛だけでなく、娘・習明沢まで同席していたんです。
中国で国家指導者の家族が外交の場に顔を出すのは極めて異例。
▶ソース:JBpress(2025/7/8)
この動きに「後継問題が関係しているのでは?」という声も出ています。
④ BRICSサミット欠席という異例の対応
2025年7月、習近平はブラジルで行われたBRICSサミットを欠席しました。
代わりに李強首相が出席したのですが、実はこのサミット、中国が主導してきた重要な国際舞台。
それだけに、「なぜ欠席したのか?」という疑問が広がっています。
健康問題?
それとも政治的事情?
どちらにしても、中国トップがこの場にいなかったという事実は、大きな違和感を残しました。
⑤ アメリカや台湾メディアが後継者を示唆?
アメリカの元政府高官やチャイナウォッチャーたちは、習近平が権力を降りる準備を始めているという見方をしています。
- 丁薛祥(副首相)
- 陳吉寧(上海書記)
- 張又侠(軍副主席)
こうした名前が「後継候補」として挙げられ、台湾メディアやNYポストでも報道されました。
▶ソース:The Australian(2025/6/30)
あくまで憶測ではありますが、こうした話が出てくること自体、政権が揺れている証拠なのかもしれません。
本当に習近平は失脚するのか?可能性を検証
では、習近平が本当に近いうちに「失脚」する可能性はあるのでしょうか?
現時点では、その可能性は高くないと言えます。
- 国家主席、党総書記、軍トップの3つの地位を維持している
- 健康面でも、一部では心配されているものの、外遊などはこなしている
- クーデターや大規模な反乱といった“劇的な展開”の兆しは見えていない
ただし、「ポスト習近平」に向けた水面下の駆け引きはすでに始まっていると考えられます。
習近平の後継問題と政権のゆらぎ
習近平は憲法を改正し、国家主席の任期制限を撤廃しました。
これは長期政権への布石でしたが、今では「いつまで続けるのか」という声が党内外でささやかれています。
健康状態や軍との関係、さらに夫人や娘の存在感――
これらすべてが、後継問題や体制維持に影響してくる可能性があります。
いずれにしても、次の党大会(2027年)に向けて、中国のトップ交代を巡る動きが注目されそうです。
まとめ
習近平にまつわる「失脚説」は、ただの噂にすぎない部分も多いですが、そこに現実の不安定さが見え隠れしているのも確かです。
- 幹部の粛清が続いていること
- 家族の登場や健康不安が話題になっていること
- BRICSのような大舞台を欠席したこと
こうした動きのひとつひとつが、習近平体制の「ゆらぎ」を感じさせているのかもしれません。
確実なことは、これから数年で中国の権力地図に何らかの変化が訪れる――ということです。
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