アイドルのライブやイベントでよく耳にする「最前管理」。
「いつも最前列にいる人たちって何者?」「お金持ちだから最前を取れるの?」と疑問に思う人も多いはずです。
最前管理は昔から存在していた文化ですが、近年はSNSを通じて賛否両論が目立つようになりました。
ここでは最前管理の意味や歴史、仕組み、問題点、そしてアイドルとの繋がり疑惑まで整理して解説していきます。
最前管理とは何か?意味と基本的な考え方
最前管理とは、ライブやイベントで最前列を確保するためにファン同士が事前に調整してポジションを「管理」する行為のことです。
通常であれば整理番号順や先着順で場所を選べますが、常連ファングループが独自にルールを作り最前列を占有することが特徴とされています。
このやり方は一部のファンにとっては安心できるルールのように機能しますが、新規ファンにとっては排他的で不公平に感じられる場面も多いようです。
最前管理の歴史を時系列で解説
最前管理は決して新しい現象ではなく、2000年代から続いています。
2000年代前半にはアニメイトやソフマップで行われていた声優イベントで、整理券をめぐる列管理が自然と生まれました。
列に並ぶ常連同士が助け合いながら場所を守る文化が、この仕組みの原型です。
2000年代後半になるとSNSのMIXIが普及し、同じ推しを持つファンが集まりやすくなりました。
常連グループが形成され、その中で「前に入る人」「列をまとめる人」といった役割分担ができるようになり、今の最前管理の形に近づいていきます。
2016年のTOKYO IDOL FESTIVALでは、最前列を仕切るスプレッドシートの画像がSNSで拡散され、初めて「最前管理」という言葉が世間に広まりました。
以降、最前管理は肯定も批判も集める存在となり、SNSで定期的に議論が起こるようになります。
最前管理の仕組みと暗黙のルール
最前管理は単なる早い者勝ちではなく、かなり組織的に動いていることが多いようです。
複数名義でチケットを申し込み、良い整理番号を確保した人がグループに貢献する仕組みがあります。
対バンイベントでは「このグループの出番は自分たちが前に出る」「次は別のグループに譲る」といった暗黙の入れ替え制が行われることもあります。
グループの中には「権力者」と呼ばれる常連が存在し、上下関係ができあがっている場合もあります。
位置取りをまとめる「バミ表」がスプレッドシートで共有されるなど、裏方スタッフ並みの統制力を持つケースもあるのです。
最前管理の問題点と批判
最前管理は熱心なファン活動である一方、多くの批判を集めています。
新規ファンにとっては「整理番号の意味がなくなる」「常連だけで最前が独占されている」と感じやすく、現場の閉鎖的な雰囲気の原因になることがあります。
さらに、最前管理の一部にはマナーの悪さが指摘されることもあります。
推し以外の出演中にスマホをいじったり、ジャンプで後方の視界を遮ったりする行動がその例です。
トラブルが暴力に発展したケースや、アイドルとの繋がり疑惑が浮上するケースもあり、不信感を招く要因となっています。
最前管理を肯定する意見も存在
批判が目立つ最前管理ですが、肯定的に評価される側面もあります。
彼らは平日や地方の現場にも通い、安定した動員を支えている存在です。
チェキ撮影やグッズ購入に多額を投資している人も多く、運営にとっては大切な顧客でもあります。
また、現場の熱気を作る役割を果たすこともあり、会場を盛り上げる力を持っています。
こうした点から、アイドルグループの活動に欠かせない存在と見る人も少なくないようです。
コロナ禍が加速させた最前管理
2020年以降のコロナ禍は最前管理をさらに強化しました。
なぜならソーシャルディスタンスで会場の定員が減り、前方の価値が急上昇したためです。
前方チケットが高額販売されることも増え、資金力や情報戦に強いファンが前を確保しやすくなりました。
さらに発声禁止で「見るしかない」環境になったことで、多くのファンが「どうせなら最前で観たい」と考えるようになり、最前管理の存在感が強まったと考えられます。
合同イベントでの最前管理の実態
特に最前管理が目立つのは、複数のアイドルが出演する合同イベントです。
各グループの常連が事前に連携し、ステージの持ち時間ごとに最前を譲り合うことがあります。
新規ファンが前に行こうとすると「もう埋まっています」と断られるケースもあり、排他的な雰囲気に戸惑う人も少なくありません。
SNSでも「最前管理がいる現場は新規が入りにくい」という声が多く、合同イベントでは特に不満が表に出やすい状況となっています。
アイドルと最前管理の繋がり疑惑
一部では「アイドルと最前管理の繋がり」が噂になることもあります。
ライブ中の特別な反応や、特典会での異常な盛り上がりが疑惑のきっかけになることがあります。
SNSで意味深な投稿が拡散され、繋がりを疑われることも少なくありません。
実際に繋がりが暴露されて脱退に至った例もありますが、大半は噂に過ぎません。
ただ、こうした疑惑が絶えないことで、ファン同士の不信感が強まるのは確かです。
解決策はあるのか?最前管理をめぐる今後
最前管理問題を完全に解決するのは難しいですが、いくつかの対策は考えられます。
運営側が本人確認やブロック制入場を徹底すること、前方チケットを公式に高額販売して公平性を担保することは有効です。
また、アイドル本人からのマナー呼びかけや、ファン側の意識改革も大切です。
不正行為を見て見ぬふりせず運営に報告するなど、ファン全体で健全な環境を作ることが必要でしょう。
まとめ
最前管理とは、アイドル現場の最前列をファングループが調整して確保する文化のことです。
2000年代から存在し、2016年のTIFをきっかけに広まり、コロナ禍でさらに強化されました。
メリットとしては動員や物販への貢献、会場を盛り上げる力がありますが、デメリットとして排他的で不公平に見えたり、マナー問題や繋がり疑惑につながることがあります。
今後は運営、ファン、アイドルがそれぞれ工夫して、誰にとっても楽しい現場を目指すことが重要ではないでしょうか。
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